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From；西村剛
「うわっ、何だよ…手仕舞いしたら株価が上がったよ…」
こんな思いをする個人投資家は多いでしょう。というより、株式市場というのは、不思議なもので、なぜか自分が売ったあとに株価が上がるか、もっと上がるかというのは日常茶飯事でしょう。きっと、あなたもシステムトレーダーになる前は、こんな悔しい思いをしたかもしれません。
「悔しい」という感情を捨てる
ですが、この話…あくまでも、私たちシステムトレーダー以外の個人投資家の気持ちです。私たちにとっては無縁のことでしょう。そもそも、私たちシステムトレーダーは、手仕舞いした後の株価は関係ありません。厳密なトレードをして、どのタイミングで売買すると、一番高い確率で利益を上げることができるか計算し、そのタイミングで売買するだけです。だからそこに「悔しい」という感情が入ってはいけません。
でも、これは難しい…
ただ、そうはいっても、これは案外難しいことでしょう。自制しないと、なかなかここにたどり着くことができず、システムトレードで実運用したばかりの方にとっては、一つのカベかもしれません。ですが、これはあくまでも、以前に違うトレード法をしていた方で、はじめからシステムトレーダーになった方は、このカベがないという興味深い話もあります。
だから、この話を聞くと「自分もはじめからシステムトレードをしていればな…」と後悔するシステムトレーダーもいるかもしれません。そうすれば、手仕舞いした後の株価が気になることはなかったのだろうな～と。でも、実は、この「気になる」ということですが、この感情を違った側面で見ると、これからの利益に非常に重要ということが分かります。
頭では分かるが自制は厳しい
確かに、文字通りに捉えれば「システムトレーダーたるもの、手仕舞いした後の株価は関係ありません」。これは正しいです。その通りです。でも、よくこの言葉を聞いてください。何か無理やりな感じがしませんか？まさに、先ほど言った「自制」ですよね。でも、この自制…そうそうカンタンにできるものではありません。それこそ、以前のトレード法が長かった人ほど、自制するのは厳しいでしょう。
でも、このように考えたらどうでしょうか？我慢できないなら「自制しない」＝「手仕舞いしたあとの株価の動きを見る」という考えです。「えっ！？それでいいの？」と思ったかもしれませんよね。それではシステムトレーダーではないのではないのと。
私たちがシステムトレーダーになった理由は？
しかし、よく考えてみてください。私たちがシステムトレーダーになった理由は何でしょうか？きっと、「株価を全く見ないで、シグナル通りに売買する」ということではないでしょう…。もしくは「高い確率で利益を上げられるような売買をする」ということではないでしょう。あなたの目的は、もっと先にあると思います…
それは「利益を上げること」でしょう。あくまでも、システムトレードは利益を上げる手段です。だから、利益の上げるのに目の前の株価に翻弄されるよりも、データ分析してて作られた売買ルールから出てくるシグナルに沿って売買したほうが良いと考えているのでしょう。
もしくは、高い確率で利益を上げられるように、システムトレードという手段を使っているのでしょう。こちらは、目的が利益に近いですが、つまりはシステムトレードは、あくまでも利益を上げる手段だということです。だから、どうしても、手仕舞いした後の株価が気になるなら、強引に自制して株価を見ない選択をしなくてもよいのです。
自制するのをやめてみよう！
でも、そのとき、自制しない変わりにこんな視点を持って、手仕舞いした後の株価を見てみましょう。
◯成行で手仕舞いするのではなく、指値のほうが、この後の株価の動きを捉えられたのではないか？
◯手仕舞いの条件式を厳しくしすれば、この後の株価の動きを捉えられたのではないか？
◯逆指値を使って手仕舞いすれば、この後の株価の動きを捉えられたのではないか？
このように、手仕舞いをしたあとの株価の動きを「悔しい」という感情で見るのではなく、この株価の動きを利益に変えるには、どのような方法があるか、その選択肢を考えてみるのです。
視点を変えると「研究」に変わる…
例えば、一番悔しいという感情が出てしまうのが、手仕舞いしたあとの急騰でしょう。そのとき、考えてみるのです。はたして、この急騰はどうやったら捉えることができたのだろうかと。条件式の問題なのか、それとも手仕舞い条件なのか、もしくは別の売買ルールを用意する必要があるのかなど、「どうやったら、その後の株価の動きを捉えられたのか？」という視点で、その後の株価の動きを「研究」するのです。
すると、いま「研究」という言葉を自然に使ったくらいですから、もうそこには「悔しい」という感情は存在しません。存在するのは「1円でも利益の上がる可能性があるなら、それを探求する」という、システムトレーダーとしての素晴らしい姿勢でしょう。
視点を変えると同じことで最高の結果が…
このように、全く同じことをしても、視点が違うと、その結果が大きく変化します。もし、あなたがそのまま「悔しい」という感情に駆り立てられたままなら、それは「感情でトレード」していることになるので、あなたの中の感情の闘いになって、そこからは何も生まれないでしょう。
ですが、「悔しい」という感情ではなく、純粋に手仕舞いした後の株価の動きが気になるという感情のもと「その後の株価の動きを上手く利益に変えるには？」という視点で見れば、そこから生まれるのは「利益」でしょう。もちろん、必ずしも利益につながるとは限りませんが、もし上手く行かなければ、「これを利益に変えることは誰にもできない」と、諦めるの語源である「明らめる（明らかにする）」の通り、ムリなことを明確にしたという最高の結果が得られるでしょう。
「See（思考/パラダイム）⇒Do（行動）⇒Get（結果）」の原則
そして、まさに、これがいつもお話ししている「See（思考/パラダイム）⇒Do（行動）⇒Get（結果）」の原則です。同じものでも、どちらの視点、思考、パラダイムで見るかで、行動が変わり、その後の結果が大きく変わってしまいます。実は、この原則こんなところにも使えるのです。
だから、ここまでお話しすれば、手仕舞いした後の株価が気になるなら、見ても大丈夫だということが分かるでしょう。ムリに株価を見ないという自制をしなくても、こういった視点で見れば、それは良いことなのです。もちろん、日々の株価も同じです。同じような視点で見れば、それは売買ルールのアイデアの種になるでしょう。
ですので、ぜひあなたが、株価が気になるなら、今から視点を変えて見てみましょう。全く同じものでも、得られる情報が変わり、情報が変わると行動が変わり、行動が変わると結果が変わります。その成果が出やすいのが、このシステムトレードですので、ぜひ挑戦してみましょう。
ー西村剛
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西村 剛
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