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From；西村剛
検証結果を信じてはいけない…
もし、あなたがこんなことを言われたら、これは衝撃的な言葉かもしれません。実は、この言葉、偶然ですが、短期間のうちに、二人から同じことを言われました。この話には続きがありますが、次の言葉のほうが衝撃的かもしれません。次に二人から言われたことが、これでした。
検証結果が現実で起きると思ったら…
「検証結果が現実でそのまま起きると思ったら大間違い」
もちろん、これには深い意味があります。この言葉の通り受け取らないでください。ただし、一部の上位のシステムトレーダーのあなたは、この言葉に納得するかもしれません。ちなみに、この上位のシステムトレーダーというのは、具体的に言うと、資産をシステムトレードだけで、1億円まで増やすことができた人や、それに近い人たちです。
実は、この言葉、一人は長く億単位で運用しているシステムトレーダー、一人は最近1億円に到達したシステムトレーダーから聞きました。そして、この話には続きがあると言いましたが、この話も二人とも共通していました。その共通の話がこれです。
『負けにくい』売買ルール
「現実でそのまま起きるとは限らないから『負けにくい』売買ルールを作ることが重要。だから、利益を伸ばすことを考えるよりも、いかに負けないかが勝負。勝つよりも、負けにくいことを重視して、長期間運用を続けられることが利益を上げるポイント。」
このようなことを言っていました。この言葉にピンとくるあなたは、きっと近い将来…もしくは近々彼らのように1億円という節目を迎える予備軍かもしれませんね。ただ、この言葉に共感する人は多いものの、実践まで至っている人は、なかなかいないのも現実です。
まさに頭では分かっていても…という状況です。つまり、いつもお話しする「See→Do→Get」の原則で言えば、「思考/パラダイム」であるSeeの部分までは至らず、単なる共感に終わっているので、実践に至っているシステムトレーダーが少ないのでしょう。
不都合な真実もある
ちなみに、こうやって「負けにくい」ということを話していると、これは不都合な真実になってしまいますが、このパラダイムでなくても、利益を上げることはできます。もちろん、このパラダイムで順調に利益を上げているシステムトレーダーも多いのは事実です。
成功の要素
ですが、そこからもうひと伸びと考えると、実は、このパラダイムに到達して前に進むか、それとも到達せずに前に進むかで、その先のシステムトレーダー人生が大きく変わってしまいます。なぜなら、トレードの成功の原則には「継続」の要素が絶対に不可欠だからです。
どれだけ素晴らしい売買ルールを持っていても、長期にわたり安定的に利益を積み上げていく特性のシステムトレードは、運用をストップしてしまえば、利益はもう上がりません。もちろん、それで満足の利益を得たらなら、それで良いですが、なかなかそういった人は少ないでしょう。
継続がなければ全てが終わる…
ただ、この運用をストップしてしまえばというのは、他の投資法やトレード法でも同じことが言えます。いくら一攫千金や一発逆転ホームランのような利益を上げても、そこで運用をストップしてしまえば、その後利益が上がることはありません。
また、これは利益を上げたあとの話なので良いですが、一番困るのは「大損失」を受けて、トレードを停止しなければならないというときです。つまり、株式市場からの「退場宣告」です。こうなってしまっては、再起をするためには、再びトレード以外の方法で運用資金を貯め、一度恐怖を味わった株式市場に戻るしかありません。
でも、実際に退場してまったら、きっと「働いて堅実にお金を貯めたほうが得だな…」などと考えてしまうでしょう。もしくは、極端な話かもしれませんが、その大損失が、致命的な大損失で、資産のほとんどを失ってしまい、もう全てにおいてやる気がなくなってしまうということも考えられないことはないでしょう。
最も怖いのが一発退場
というように、システムトレードの世界に限らず、この投資やトレードの世界で、最も怖いのは「退場」という2文字です。しかも、この株式市場ですが、一度参入してしまうと、なかなか抜け出すことができません。利益を上げてしまえば、「もっと利益がほしい」と思うのが人間心理ですし、負ければ「今度こそは！」と思うのも人間心理でしょう。
だから、一度足を踏み入れてしまうと抜け出せず、それが天国になるか、それとも底なし沼になるかは、「See→Do→Get」の原則で言えば、あなたの思考次第で大きく変わってしまうということでしょう。だからこそ、思い返していただきたいのは、二人の億トレーダーの思考です。
彼らに共通しているのは「負けにくい」です。彼らは、システムトレーダーとして、非常に厳しい株式市場も甘い株式市場も経験しています。あらゆる株式市場を経験したからこそ、勝ち抜くよりも、負けないことのほうが重要だと悟ったのでしょう。
あなたの答えは？
では、これまでお話しした内容をふまえて、あなたに考えていただきたいことがあります。それがこちらです。
「ドローダウンが大きくて合計損益が大きい売買ルールと、ドローダウンが小さくて合計損益が小さい売買ルールではどちらが良いですか？」
さて、あなたの答えはどちらでしょうか？これは先日、私が受けた質問です。今回はあえて私の考えはお伝えしませんが、あなたであれば、どちらを選択するでしょうか…。もしくは、このどちらを選択すれば「長期にわたり安定的に利益を積み上げること」ができるでしょうか？
短期的ではありません。「長期的」にです。この視点で考えつつ、彼らの話をふまえて考えると、自ずと最良の選択が見えてくるのではないでしょうか。ぜひ、今回は「長期にわたり安定的に利益を積み上げること」を、再度意識して、あなたなりの答えを考えてみましょう。
彼らが、あの言葉を言った理由
そうそう一つ言い忘れました。彼らは「検証結果を信じてはいけない…」「検証結果が現実でそのまま起きると思ったら大間違い」と言っていますが、これはシステムトレードの否定ではありません(笑)だって、彼らは二人ともシステムトレードだけで、資産を億単位まで増やしているのですから。しかも、その後も変わらずシステムトレーダーです。
彼らが言いたいのは、こういうことです。
「10年以上、システムトレーダーとして株式市場に携わっていると、検証結果上で負けにくい売買ルールを作ることができなければ、長期にわたり利益を積み上げ続けることはできない。
だから、検証結果が100％現実で起きると思ってしまうと、勝つことばかりを考えて、現実でそんなことをしたら危ないということをしてしまう。つまり、それが負けにくいの反対。
そして、現実の世界は、あくまでも将来のことなので、何が起きるか分からないうえ、検証結果は、あくまでも過去の株式市場で運用したらの結果なので、将来が全く同じとは限らない。
そのあたりをしっかり理解して検証結果を見て運用しないと、長期にわたり利益を積み上げ続けることは難しいです。」
上手く伝わったか分かりませんが、とにかくシステムトレードの否定ではないということです。繰り返しになりますが、それであれば、彼らはもうシステムトレードから離れてしますからね。二人とも、今でもシステムトレーダーですし、これからもシステムトレーダーです。
ー西村剛
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西村 剛
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