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From;斉藤正章
東京の自宅より、、、
今年に入ってからの株式市場はどちらかというとボックス相場に近い状況が続いています。
日経平均は19,000円を中心に前後5%程度しか動いていないため、なかなか利益を取りづらい相場といえるのではないでしょうか。
ただし、ボックス相場が長く続いた後ほどその後の値動きが大きい傾向があるため、そう遠くないうちにまとまった利益を得るチャンスが来る可能性は高いと思います。
ここまでの成績がいまひとつという方も諦めずにトレードを続けていきましょう!
さて、今回は東証一部とマザーズの値動きの傾向の違いについてお話させていただきたいと思います。これまでに大型株と小型株の違いについては取り上げたことがありますが、東証一部とマザーズのような市場ごとの傾向の違いは取り上げたことがなかったかと思います。
日経平均(あるいはTOPIX)とマザーズ指数のチャートを比べるとわかるかと思いますが、両市場の値動きが連動しないことはしばしば起こります。
つまり、同じ日本の株式市場でも、東証一部とマザーズの銘柄は値動きの癖が異なると考えられるわけです。
両市場の値動きの違いはいくつかありますが、私が知っているなかでもっとも重要な違いは「東証一部の銘柄よりもマザーズの銘柄のほうが順張り傾向が強い」ということです。例えば、東証一部の銘柄には大型株が多いこともありますが、値動きが比較的安定しているため、上昇した銘柄は下落し、下落した銘柄は上昇するというように株価は修正される傾向にあります。
ところがマザーズの銘柄については、上昇し始めたらそのまま上昇したり、逆に下落し始めた銘柄がどんどん下落していくといった一方的な値動きが起きりやすいのです。そのため、東証一部と比較するとやや順張り傾向が強いといえるかと思います。それを確かめるために、逆張りの売買ルールを使った検証をしてみることにしましょう。
今回の検証は、基本的な逆張り(詳細は非公開)を「前日比がマイナス(下落)のときに買い付ける」場合と「前日比がプラス(上昇)のときに買い付ける」場合に分け、成績にどの程度の違いが出るかを確かめます。当然、後者のように反発を確認してから買い付けたほうが有利な場合には「順張り傾向が強い」といえるかと思います。
この検証をそれぞれ東証一部とマザーズの両方に対して行ってみました。尚、バックテストの期間は2006年1月1日~2017年6月15日までです。
【東証一部】
■前日比マイナスの場合
勝率: 79.31 %
平均損益(率): 9.09 %
最大ドローダウン(時価ベース): 387,800 円(2008/10/08)
■前日比プラスの場合
勝率: 82.35 %
平均損益(率): 11.86 %
最大ドローダウン(時価ベース): 346,650 円(2016/07/08
【マザーズ】
■前日比マイナスの場合
勝率: 80.56 %
平均損益(率): 13.53 %
最大ドローダウン(時価ベース): 483,200 円(2013/06/26)
■前日比プラスの場合
勝率: 81.25 %
平均損益(率): 20.98 %
最大ドローダウン(時価ベース): 243,300 円(2013/06/26)
まず、東証一部のバックテスト結果を比較すると、前日比マイナスの場合は平均損益率が9.09%に対して前日比プラスの場合は11.86%となっており、1トレードあたりの結果だけでみれば、東証一部であっても反発を確認してから買い付けたほうが若干有利な結果となっています。
一方、マザーズのほうは前日比マイナスの場合は平均損益率が13.53%に対し、前日比プラスの場合は20.98%と大幅に上回っています。
また、東証一部では前日比がプラスのときとマイナスのときで最大ドローダウンにはほとんど変化はありませんが、マザーズのほうは前日比マイナスのときと比べてプラスのときのほうが最大ドローダウンが半減しています。
これらの結果をみると、東証一部とマザーズのどちらの場合でも、1トレードあたりの利益という意味でいえば株価が反発(前日比プラス)してから買い付けたほうが有利となっています。ただし、東証一部は平均損益が30%程度の向上に対し、マザーズは55%も向上していることから、マザーズのほうが順張り傾向が強いといえそうです。
今回はあくまでも急落した銘柄が1日だけ反発したタイミングで買い付けたらどうなるかという観点で検証しましたが、数日間の連続した上昇(下落)などの場合にはまた違った結果になる可能性もありますので、この続きは皆さん自身で確認してみるといいでしょう!
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斉藤 正章
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