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From;斉藤正章
東京の自宅より、、、
こんにちは。斉藤正章です。
私自身がシステムトレードを始めてからは、早いものでもう12年以上が経過しています。さすがにこれだけの経験があると、多少利益が出ない期間が続いてもあまり不安になることはないのですが、システムトレードを始めたばかりの方はなかなかそうもいかないのではないでしょうか。
ご存じのとおり、システムトレードというのは過去の統計という裏付けがあるため、実践し続けてさえいれば、長期的にはほとんど間違いなく利益が出るのがわかっているのが最大の特徴です。にもかかわらず、実際に売買を始めると不安になってしまうといった声を時折耳にします。その理由としては、売買ルールによって調子が良い(利益が出る)期間と調子が悪い(利益が出ないor損失が出る)期間があるからではないかと思います。
どんなに優秀な売買ルールでも、1か月や2か月は調子の悪い期間があるのは当たり前のことですので、基本的にはそのまま売買を続けるのが本来の正しいやり方なのですが、どうしても調子の悪い期間を減らしたいということであれば、そのような方法がないわけではありません。
一例をあげると、私が使用している売買ルールの1つに「順張り系」の売買ルールがあります。詳細については割愛しますが、基本的には「数十日間の高値を更新したら買い」というブレイクアウトをベースにした一般的なものです。ですが、1つ工夫をしているとすれば、短い期間で手仕舞いができるように利食いの条件を追加しているところでしょうか。そのため、平均保持日数は順張りとしては短い21日程度となっています。
ちなみに、この順張りの2000年1月から2015年11月13日までの成績は次のとおりです。
(運用資金300万円、1銘柄あたり30万円まで、レバレッジなしとする)
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【順張りのバックテスト結果】
・勝率: 64.20 %
・合計損益(円): 4,282,326 円
・平均損益(%): 1.56 %
・最大ドローダウン: 520,300 円
・平均保持日数: 21.05 日
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この順張りルールの特徴として、上昇相場などの得意な相場では大きな利益になるのですが、それ以外の相場では利益を出しずらいという傾向があります。つまり、利益が出やすい相場と出ずらい相場がはっきりしているわけです。
こういった特徴を持つ売買ルールの場合、得意な相場だけに絞って運用したいと思う方もいるのではないでしょうか。そこで、株式市場の状況に応じて、この順張りルールが得意とする相場と苦手とする相場に分ける方法をご紹介します。
まず、株式市場の状況を判断するためにTOPIX指数を使用します。そして、TOPIX指数の株価位置(250日)が50%以上のときを「上昇トレンド」、TOPIX指数の株価位置(250日)が50%未満のときを「下落トレンド」とします。実際に上昇トレン
のときと下落トレンドのときでは、順張りルールの成績にどのような違いがあるかを確認してみましょう。
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【順張り(TOPIXが上昇トレンド)のバックテスト結果】
・勝率: 62.92 %
・合計損益(円): 2,730,559 円
・平均損益(%): 1.24 %
・最大ドローダウン: 520,300 円
・平均保持日数: 21.40 日
【順張り(TOPIXが下落トレンド)のバックテスト結果】
・勝率: 72.96 %
・合計損益(円): 1,864,580 円
・平均損益(%): 3.05 %
・最大ドローダウン: 123,150 円
・平均保持日数: 20.21 日
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ご覧のとおり、TOPIXが上昇トレンドのときと下落トレンドのときでは、順張りルールの成績には大きな違いがみられます。
たとえば、TOPIXが上昇トレンドのときには1トレードあたりの平均損益率が1.24%であるのに対し、TOPIXが下落トレンドのときはなんと3.05%もあります!つまり、意外かもしれませんが、この順張りルールについていえば、TOPIXが上昇トレンドのときよりも下落トレンドのときのほうがはるかに有利であるということです。
実際に資産曲線をみても、TOPIXが下落トレンド時のほうがかなり安定した形を描いています。こういった傾向を利用して、TOPIXが下落トレンドのときだけに絞って売買すれば、順張りが勝ちやすい相場だけに売買するといったことができるわけです。もっとも、この方法の欠点としては売買の機会を絞ってしまうため、トータルの利益(合計損益)が減ってしまうことには留意する必要があります。
しかし、たとえトータルの利益が減ったとしても安定的に運用をしたいという場合には、非常に有効な方法であると思いますので、そのような方は是非取り入れてみてはいかがでしょうか?
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斉藤 正章
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