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From:斉藤正章
昨年の後半は上昇相場でしたが、2018年に入ってからもまだその流れは続いているようです。
このような相場では順張り系の売買ルールが大活躍しているという方が多いのではないでしょうか。市場別にみると、日経平均も多少は上昇しているのですが、どちらかというとジャスダックやマザーズ等の新興市場のほうが上昇率が顕著です。
新興市場の傾向とは?
日経平均は東証一部の大型株の比率が高いため、どちらかというと上昇したり下落したりを繰り返す傾向が強いのですが、ジャスダックやマザーズは上昇し始めたらそのまましばらく上昇が続き、下落し始めたら下落が続くという傾向があります。
ということは、順張りについていえば、東証一部を対象にした売買ルールと新興市場を対象にした売買ルールでは、仕掛けはともかくとして、有利な決済の仕方には大きな違いがありそうです。東証一部の順張りについては比較的取り上げる機会が多いため、そこで今回は、新興市場を対象とした順張りの決済方法について取り上げてみたいと思います。
新興市場を対象にした順張り戦略の決済方法
先述したとおり、新興市場には株価の上昇や下落が長く続く傾向があります。ということは、株価が上昇し始めてから買い、株価が下落し始めたらすぐに決済するという方法は有効性がありそうです。例えば、日経平均が前日比で●%以上の下落をしたらすぐに決済して逃げるという具合です。新興市場の場合は、日経平均よりもジャスダック指数を使ったほうがいいかもしれません。
そこで、新興市場を対象とした順張りのルールをもとに、「ジャスダック指数が前日比で●%以上下落したら決済(売り)」というフィルターを入れた場合と入れない場合の成績を比較してみたいと思います。(●の数値は非公開のため、ご自身で確かめてみてください)
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■新興市場の順張り(フィルターなし)
勝率:61.36 %
平均損益率:1.35 %
合計損益:32,647,900 円
最大ドローダウン(簿価ベース):2,284,100 円
平均保持日数:5.06 日
■新興市場の順張り(フィルターあり)
勝率:59.44 %
平均損益率:1.32 %
合計損益:34,111,400 円
最大ドローダウン(簿価ベース):1,639,800 円
平均保持日数:4.28 日
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上記のバックテスト結果を比較すると、ジャスダック指数のフィルターを使った場合は使わなかった場合に比べ、勝率と平均損益率はわずかに落ちていますが、合計損益は向上しています。
フィルターを使った場合はジャスダックが下落したらすぐに決済するため、勝率や平均損益が減少するのは当然といえます。むしろ、その後の大きな損失を回避することができているため、合計損益や最大ドローダウンが大幅に向上しているのがわかります。
この結果をみるかぎり、新興市場の順張りについては、「ジャスダック市場が前日比で一定の下落をした場合には決済する」という方法が有効であるといえそうです。新興市場についてはこのような結果が出ましたが、東証一部についてはどのような傾向があるか、皆さま自身の手で確認してみてはいかがでしょうか。
ー斉藤正章
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