私の重い罪?



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From;斉藤正章
東京の自宅より、、、

 

先日、システムトレーダーの方々が集まる勉強会がありまして、
その中で少しだけ「自動発注」に関する話題が出ました。

ご存知のとおり、自動発注というのは、ソフトウェアを使って売買の注文(発注)を自動で行う機能のことです。

 

自動発注の機能を使えば、わざわざ毎日の注文を手動で出す必要がないため、非常に便利な機能ではあるのですが、私自身はどちらかというと自動発注にはやや否定的な立場です。

厳密にいえば、自動発注機能そのものに否定的なわけではなく、あまり広く一般には普及するべきではないと考えているだけです。

これは株式市場に限った話ではありませんが、楽にできる(≒誰にでもできる)ものほど参加者が増えるため、優位性が衰えてしまう傾向があるからです。

 

株のトレードにおける具体的な例をあげると、「マーケットインパクト」という現象がそれにあたるでしょうか。マーケットインパクト(以下、インパクト)とは、たくさんの人が同じようなタイミングで売買をすることにより、価格が不利な方向に動いてしまうなどの現象が起こることです。

 

たとえば、単純な逆張り系の方法を使った売買などは、参加者が増えすぎたため、2006年末くらいを境にあまり機能しなくなったといわれています。
それが本当かどうかを確かめるため、「1990年~2006年末」と「2007年~2014年3月末」までの2つの期間で本当にインパクトが発生しているかを調査してみました。

調査の方法としては、拙著『株・勝率80%の逆張りシステムトレード術』に掲載されている基本的な逆張りの売買ルールを使ってトレードした場合に、買い(仕掛け)のときと売り(手仕舞い)のときでどれだけのインパクトが発生したかを調べました。

 

具体的には、買いの場合なら「買いのサインが出た日と実際に買った日の価格の差(ギャップ)」がどれだけあったか、売りの場合なら「売りのサインが出た日と実際に売った日の価格の差(ギャップ)」がどれだけあったかを数値で出します。(成行注文で発注した場合)

当然、買いの場合はできるだけ安く買えたほうがいいため、この数値は小さいほうがいいですし、売りの場合はできるだけ高く売れたほうがいいため、この数値は大きいほうがいいということになります。

 

それでは、実際に「1990年~2006年末」と「2007年~2014年3月末」の2つの期間でどれだけの差が出ているかを比較してみましょう。

—————————
■1990/3/1~2006年12月末
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買い(仕掛け) :+0.54%
売り(手仕舞い):+1.62%

 

—————————
■2007年~2014/3月末
—————————
買い(仕掛け) :+0.54%
売り(手仕舞い):+0.72%

 

上記の結果をみると、2006年までは買うとき(買いサインが出てから翌日に実際に買えた価格)は+0.54%ほど高く買ってしまっているものの、売るとき(売りサインが出てから翌日に実際に売れた価格)は+1.62%も高く売れていたことがわかります。

買うときも高値掴みだけど、売るときはもっと高く売れるからいいか・・・という感じでしょうか。

 

しかし、2007年以降はどうでしょうか。

買うときこそ+0.54%と変化はありませんが、売るときには前日の終値よりも+0.72%しか高く売れなくなっています。

この結果をみるかぎり、買うときにはあまりインパクトが発生していないものの、売るときにはかなりのインパクトが発生しているといえます。

そして実際に発生しているインパクトの数値は0.9%(1.62% - 0.72%)ほどです。
簡単にいえば、昔と比べると「1回の売買で得られる逆張りの利益は0.9%も減っている」ということがいえそうです。

逆張りの優位性がこれだけ衰えたのは、どこぞのシステムトレーダーが2006年に簡単な逆張りのルールを公開してしまったからともいわれていますが、
真相は定かではありません・・・(滝汗)

 

それはともかく、あまり簡単で誰にでもできるようになると、そのような方法は優位性が衰える傾向にあるというのは間違いないところです。

株のトレードの場合、個々人が自分で作った売買ルールでトレードしているかぎりは、たとえ自動発注にしたからといっても、直ちにシステムトレードの優位性が衰えることはないかもしれません。(ただし、発注の際の心理的な抵抗が軽減されるという意味では、多少の影響が出るかもしれません)

 

しかし、同じような売買ルールを使って多くの投資家が自動発注をするようになった場合には、間違いなくマーケットインパクトが発生し、優位性が衰えていくのではないでしょうか。

やはりどんなことにもいえることですが、他人が面倒くさがって実行しないことにこそ優位性があるものです。

そういう意味では、株のトレードにも若干の面倒な部分を残しておいたほうが、優位性が担保されるのではないかと思っています。

とはいえ、システムトレードの場合は手動でも1日10分もあれば発注が終わるので、裁量で売買している人よりはずっと楽なのですが(笑)

斉藤正章

 

 

 

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斉藤 正章

2001年に元手30万円で株式投資を開始。当初は苦戦するも、2003年1月に独自のシステムを開発してから常勝トレーダーとなり、2006年に1億円を達成した後も安定した運用を続ける。勝率80%の逆張りシステムを中心に数種類のシステムを使い分ける。