売買ルールの改良で絶対にやってはいけないこと【田村祐一】



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システムトレードを長年実践しており、
こういったメールマガジンを書いている関係上、

よくシステムトレーダーの方から
自分が作成した売買ルールを見て欲しい
という依頼をよく受けます。

基本的にはお断りしているのですが、
私の講座を過去に受けてくださった方については、
時間があればお受けしています。

さて、その売買ルールのチェックについてですが、
私なりの判定ポイントがあります。

今日は、私が考える「将来も機能しやすいルール」と
「機能しにくいルール」についてお話したいと思います。

私が売買ルールをチェックする際に最も大事にするのは、
売買ルールの設定を見たときに、

【どういった意図で各条件式が追加されているのかが、
 一目瞭然で理解できるか】

という視点です。

追加されている条件式ひとつひとつについて、
どのような効果を得られるかが、すぐ理解できるルールが好ましいです。

具体例を挙げると、、、

・「終値と移動平均(150日)の乖離率が0%以上」
長期的に株価が上昇トレンドにある銘柄をトレードしたい

・「ボラティリティ(25日)が5%以上」
値動きの荒い銘柄をトレードしたい
(⇔値動きが緩やかな銘柄はトレードしたくない)

上記のように、設定されている条件式が、
「なぜ追加されているのか」が分かる条件式は良い改良条件式と言えます。

しかし、なぜ、その条件式が追加されているか
分からない条件式も数多く存在します。

具体例を挙げると、、、

・「ボラティリティ(25日)が0%以上4%以下または、5%以上」
⇒なぜ「4%~5%」の数値は除外したのか?
 理由や効果がはっきりと理解出来ない

・「OR条件がたくさん使用されている」
⇒なぜ、OR条件で分岐させる必要があるのか?
 それによる効果がどの程度なのか不明瞭

・「ボラティリティ(34日)が2.1%以上」
⇒なぜ、その日数の必要があるのか?
 「35日」ではダメなのでしょうか?
 なぜ、その細かい数値設定なのか?
 「2%」じゃダメなのでしょうか?

上記のように、一見するとなぜ追加・設定されているのか
分からない設定がされている場合には、少し注意が必要です

こういった設定をしている理由を聞いてみると、
「バックテスト結果が良くなったから」という理由が返ってきます。

私は、この「バックテスト結果が良くなったから」という
理由の回答は、あまり好きではありません。

この回答を大義名分に改良を進めると、
売買ルールはドンドン複雑化していきます。

だって、売買ルールを細かく設定し、
どんどん複雑化すればするほど、

売買ルールのバックテスト結果はよくなりますから。

それの何が好ましくないかというと、
細かい設定をすればするほど、

過去にトレードされた負けトレードが、ちょっとずつ排除されていき、
バックテスト上はすごく良い成績のルールが出来上がるからです。

細かい設定をすればするほど、自分の都合の悪いトレードが消え、

本来その売買ルールが持つ実力以上の成績が、
【バックテスト上だけ】は、でてしまうからです。

でも、実際にその売買ルールで運用をしていくと、
都合の悪いトレードを掴んでしまいます。

いわゆる「カーブフィッティング」です。

「バックテスト結果が良くなったから」という理由だけで、
条件式を追加し続けるのは、非常にリスキーな改良です。

条件式を追加して、「成績が改善」することは大前提ですが、
それ以上に、「理屈が通っている(理にかなっている)」ことが必須条件です。

成績が改善するものの、
理屈が説明できない条件式は使用すべきではありません。

理屈が説明できないのであれば、
それはただのカーブフィッティングである可能性が高いです。

詳しく説明すると長くなってしまいますので割愛しますが、

核となる条件式だけのシンプルなルールを標準モードで検証し
その改良条件式を追加し、成績が改善する

といった証拠が必要です。

さらに、そこに言葉で万人を納得させられる理屈があれば、
その条件式は、統計的に有効な条件式と私は考えます。

よって、私が自分や他人の売買ルールをチェックする場合には、

設定されている条件式がパッと見て、
理解できるかどうかで、ほぼ判定が決まります。

パッと見で、ほぼ70%、ルールの確認は完了です。

残り30%を、ちょっと数値をいじってみたり、
追加されている条件式の一部を除いても、

成績に大きな変化がないかをチェックするような感じです。

あなたの売買ルールはどうでしょうか?

パッと見て、理屈が説明できない条件式は入っていませんか?
銘柄フィルターの設定が、細かすぎませんか?

説明できない条件式は除いて検証してみてください。

もし、成績が大きく変化するのであれば、
少しそのルールの使用を再検討したほうが良いです。

実は、売買ルールの複雑化や、理屈が説明できない条件式の多用は、
検証熱心なシステムトレーダーほど起こりやすい問題です。

熱心に検証を進めるからこそ、あと一歩成績を改善したいと思い、
気付かぬうちに理屈の通らない条件式を追加してしまうのです。

熱心に検証しているのに、なかなか成績が出せないという方は、
ぜひ、今日の内容を参考に売買ルールを見直してみてください。

見直しを行い、理屈の通らない条件式を外してみてください。

外すことで、成績はおそらく悪化するでしょうが、
見た目がシンプルな強いルールに改良できると思います。

バックテストの合計損益がすべてではありません。
真の意味で強い売買ルールに改良するためには、
合計損益の減少も必要なときがあります。

今日は少し、いやかなりマニアックな内容でしたが、
ぜひ、システムトレーダーの方は実践して欲しいです。

 

ー田村祐一

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田村 祐一

統計データを重視したシステムトレードとファンダメンタルを組み合わせて銘柄分析を行う。株価を大きく動かすイベントに合わせて銘柄を売買する「イベント投資」にも注力。