「勘」を捨てた投資方法など、本当にあるのですか?

森下千里さん
森下千里
システムトレードについて予習してきましたが、全く違うように感じました。そこで、質問なのですが、システムトレードは、完全にシステムだけで投資をするもので良いのでしょう?
斉藤正章
少し違いますね。そこは、良く誤解されてしまう部分です。システムといっても、注文は自分で行います。ただし、語弊があるかもしれませんが「どの銘柄売買するか」は、全てシステムが教えてくれます。

そして、過去の相場で儲かった法則(売買ルール)を探すのは人間の手で行います。例えば、この「システムトレードの達人」は、過去の相場で儲かった法則(売買ルール)を探すための道具の一つです。いわゆる「検証ソフト」というものです。このソフトを活用して、「考えた法則(売買ルール)が本当に、過去の相場で儲かった法則(売買ルール)か?」を検証していきます。
もう少し具体的に説明しましょう。例えば、過去20年の相場を長い目で見れば、下げ相場と言えるでしょう。
森下千里
そうですね。
斉藤正章
上昇相場であれば、儲かったのは当然のことだと思います。しかし、下げ相場で安定して儲けることは大変困難なのも当然のことでしょう。では、仮に「過去20年間安定した成績で儲かった法則(売買ルール)」が見つかったとします。これは何を意味するでしょうか。そうです、過去20年間の下げ相場でも安定した成績を上げられるということは、この先も利益を上げることができるのではないか?と推測することができると思います。
システムトレードでは、過去で利益になった方法で、機械的に売買を続けます。つまり、機械的に売買を続けるということは、自分の感情や企業の業績は全く関係ないのです。「何となく、この銘柄が上がりそうだな」という感情や、「この企業の業績が下降気味だからどうこう」というのは関係がないのです。淡々と、過去に利益になった方法で、売買を続けるのです。
よって、システムトレードとは「データによって裏付けられた過去に利益になった方法で、将来も売買を続けていく」ことなのです。
森下千里
なるほど。過去のデータを裏付けとして、売買の法則を見つけていくのですね。つまり、システムトレードは確率の話になるのでしょうか?
斉藤正章
そうですね、おっしゃる通りです。基本は「統計」です。
森下千里
「統計」ですか?統計というと、占いが浮かびましたが、占いの統計学のようなものでしょうか?
斉藤正章
そうですね。統計学と言えば統計学なのです・・・(笑)。ただ統計学というほど、難しいものではありません。簡単に言えば、「優位性のあるルール」を見つけるとうことです。
例えば、Aパターンが出たときに買い、Bパターンが出たときに売るというルールを、過去のデータで検証したとします。もし、そのルールが、下げ相場でも儲かっていたら「優位性のあるルール」と言えることでしょう。
そのルールが見つかったら、その後は自分の勘などの感情(裁量)を入れずに、そのルールに従って淡々と売買を続けていくのです。それが「システムトレード」なのです。
プロフィール
森下千里
森下千里もりした ちさと
1981年愛知県生まれ。
雑誌やバラエティー番組、舞台などひっぱりだこの人気タレント。
趣味はカレー作り、お菓子作り、ゴルフ、ゲーム、株!
昨年ファイナンシャルプランナー3級、マネーマネジメント1級取得。
現在カレー店『芸能人 カレー部』を各地で営業中!http://www.currybu.jp/
オフィシャルブログ:
http://ameblo.jp/morishitachisato/
斉藤正章
斉藤正章さいとう まさあき
1975年東京生まれ。
デザイン系専門学校を卒業後、システム開発会社に就職。プログラマー兼システムエンジニアとして8年間勤務。
2001年に元手30万円で株式投資を開始。当初は苦戦するも、2003年1月に独自のシステムを開発してから常勝トレーダーとなり、2006年に1億円を達成した後も安定した運用を続けている。勝率80%の逆張りシステムを中心に数種類のシステムを使い分ける。
著書に『株 勝率80%の逆張りシステムトレード術』『斉藤正章の株 両立80%の逆張りシステムトレード実践テクニック』(日本実業出版社)がある。
西村剛
西村剛にしむら つよし
財閥系運用会社にて、国内株式中小型株アナリスト兼ファンドマネジャーを経験。年間200社程度の経営者に取材を行う。
2005年フェアトレード株式会社代表取締役就任。
2009年「システムトレードの達人」を使って、株式戦略マル秘レポートを連載中。
著書に『実践 空売りトレード』(明日香出版社)がある。