システムトレードからすれば、勘で投資することはギャンブルと同じ

斉藤正章さん
斉藤正章
投資家の中には、チャートや業績見て投資の意思決定をしている方も多いと思います。もし、そのような方が「システムトレード」を見ると、全く違う方法なので、画期的方法に見えるかもしれません。チャートや業績を見て判断すると最後は「勘」に頼ってしまう分が、どうしても出てきてしまいます。結局、「勘」は、確率から見ると、当たる確率と外れる確率は「半々」なのですよね。
森下千里
確かにそうですね。「勘」は、確率から見たら、当たるか当たらないか、全く分からないですよね。
斉藤正章
そうです。少々厳しい言い方かもしれませんが、「勘」で投資を続けることは、長期で見れば半々の確率を頼りに、ギャンブルをするのと同じようなものです。

システムトレードはギャンブルから抜け出した投資方法。家族など周囲も安心できる、利益の法則(売買ルール)を発見します

斉藤正章さん
斉藤正章
その反面、統計的に100回とか1000回とか売買繰り返した場合、1回のトレード当たりの利益が、負けたトレードも勝ったトレードも合わせて平均すると5%利益の出るルールを発見したとします。

つまり、その法則(売買ルール)を繰り返せば、平均5%利益を出せるということが言えます。

繰り返しになりますが、システムトレードは、その法則(売買ルール)に従って「勘」に頼らず、淡々と機械的に売買を続けていくということなのです。
よって、システムトレードは「勘」で投資はしませんので、このまま投資を続けるとどのような結果になるかはおおよそ見えてくることがあります。極端な話をすれば、このあたりで恐らく利益が出せるのではないか、とタイミングまで推測できることもあるのです。
森下千里
へぇ~!それは、すごいですね!驚きです!
斉藤正章
あくまでも、過去のデータから見出した法則(売買ルール)ですので、全く同じになることはないですけど、おおよその傾向はつかめます。
例えば、過去の成績よりは悪くなるかもしれないけども、サブプライムショックでも儲かったような法則(売買ルール)が発見できれば、この先同じようなことがあっても基本的には大丈夫であろうと推測することができるのです。
システムトレードは、将来の答えをある程度理解して売買しているので、変な感情を入れずに投資を続けることができます。
森下千里
なるほど。斉藤さんのお話を伺うと「感情に左右されて」投資するのは、非常にリスクが高いように感じました。
斉藤正章
そうですね、必ずしもとは言い切れませんが、リスクは高いと考えられます。自分の中で「このようなチャートの動きをしたら売ろう」というルールを決めたとします。ししながら、ほとんどの人が当てはまると思いますが、いざチャートが予想に反する動きをすると、「業績が良いからもう少し売らないでいよう」などと、法則(売買ルール)とは全く違う感情が出て、法則(売買ルール)を守らず売るのをやめてしまうのです。
森下千里
そうですね。私にも思い当たる部分があります。損切りの勇気が持てなくて、ずるずる持っているってことは、非常に多いと思います。
斉藤正章
そこがポイントなのです。システムトレードは「損切り」も込みで考えていきます。この場合に損切りするという条件も含めて検証してあります。
つまり、その通りに損切りすれば、統計的に将来もそれに近い成績になる確率が高いのです。よって、過去利益を上げることのできた法則(売買ルール)を繰り返えせば良いのです。

ただし、もちろんのことですが、今からシステムトレードを始めれば、すぐ大金持ちになれるというわけではないのでご注意下さい(笑)
システムトレードも「統計」なので、勝つことも、負けることもあります。そのようなこともあり、長い目で繰り返すとどうなるかを見極めることがポイントとなります。

検証した結果の「損益曲線」が、なめらかに上がれば理想です。しかし、実際は、上昇や下落を繰り返しながら上がっていきます。
仮に、検証した結果の損益曲線が軽いでこぼこに見えたとしましょう。しかしながら実際に売買してみると、損益曲線上では、わずかなへこみに見えても、精神的にはかなりきつく感じたり、期間が長く感じたりするのです。
それでも、法則(ルール)に従って継続できるかが、システムトレードの一番難しいところかもしれません。検証した結果の損益曲線が、どれだけ理想的なカーブを描いていても、継続できなければ、その曲線通りに結果は生まれません。
プロフィール
森下千里
森下千里もりした ちさと
1981年愛知県生まれ。
雑誌やバラエティー番組、舞台などひっぱりだこの人気タレント。
趣味はカレー作り、お菓子作り、ゴルフ、ゲーム、株!
昨年ファイナンシャルプランナー3級、マネーマネジメント1級取得。
現在カレー店『芸能人 カレー部』を各地で営業中!http://www.currybu.jp/
オフィシャルブログ:
http://ameblo.jp/morishitachisato/
斉藤正章
斉藤正章さいとう まさあき
1975年東京生まれ。
デザイン系専門学校を卒業後、システム開発会社に就職。プログラマー兼システムエンジニアとして8年間勤務。
2001年に元手30万円で株式投資を開始。当初は苦戦するも、2003年1月に独自のシステムを開発してから常勝トレーダーとなり、2006年に1億円を達成した後も安定した運用を続けている。勝率80%の逆張りシステムを中心に数種類のシステムを使い分ける。
著書に『株 勝率80%の逆張りシステムトレード術』『斉藤正章の株 両立80%の逆張りシステムトレード実践テクニック』(日本実業出版社)がある。
西村剛
西村剛にしむら つよし
財閥系運用会社にて、国内株式中小型株アナリスト兼ファンドマネジャーを経験。年間200社程度の経営者に取材を行う。
2005年フェアトレード株式会社代表取締役就任。
2009年「システムトレードの達人」を使って、株式戦略マル秘レポートを連載中。
著書に『実践 空売りトレード』(明日香出版社)がある。