もし、みんなが同じ法則(売買ルール)を使用したらどうなるの?

森下千里
なるほど。システムトレードとは何か?が分かってきました。一つ質問なのですが、投資家の人たち全員が、システムトレード使い始めると、相場は成立しなくなってしまうのではないでしょうか?
斉藤正章
そうですね。例えば、1万人ぐらいの人が、買いも売りも全く同じタイミングで取引すると、その売買は成立しなくなってしまいますね。
森下千里さんと斉藤正章さん
森下千里
そうですよね。
斉藤正章
よく誤解されてしまうのですが、「システムトレード」の、売買ルールは決まっているものではありません。
システムトレーダー各々の儲かると考えられる法則(売買ルール)を使用します。各々の法則(ルール)を使用している限りは、よほど同じような法則(売買ルール)を使う人が出ない限りはずっと使えます。
西村剛
そういえば、過去に「斉藤式トレード法」というのが広まったことがありまよね。噂では、みんなが斉藤さんの真似をしたので、相場に異変があったと耳にしています。
森下千里
へー!
西村剛
そのときは、本当に何千人の人が「斉藤式トレード法」を取り入れていたようです。株価が非常に急落しているところで買う方法なのですが、次の日、通常ではあり得ないくらい株価が上がってしまったというエピソードがあります。
斉藤正章
さすがにあのときは、みんな同じタイミングで買いの注文を入れていましたからね。
森下千里
すごい出来事ですね!なぜ、そうなったのですか?
斉藤正章
偶然ですが、私の著書が想像以上に売れたのが原因のようです。2006年の後半ぐらいから、みんなが私と同じようなことやりだしたようです。その結果、その法則(売買ルール)に引っかかった銘柄が、非常に高く寄り付くようになってしまったのです。さすがに、あのときは本で売買ルールを公開すると危険だなと思いました。
森下千里
みんなが買いの注文をしたら、必然的に株価は上がりますよね。そんなことって、あるのですね。斉藤さんのこの方法はもう有効ではなくなってしまったのでしょうか?
西村剛
森下さんの質問に答えるために、斉藤さん方法について簡単にご説明しましょう。この斉藤さんのやり方には、すごく下がったところで買うものなので、一般的には怖くて買えないのです。
森下千里
そうですよね。一度下がっているのであれば、もう一度下がるかもしれないですからね。
西村剛
つまり、これまで同じ方法をとってきた皆さんですが、下がるところで買い続けるので、だんだん恐怖感が増してくるのです。すると、いつの間にか、その恐怖感に耐えられなくなり、同じ方法で売買する人たちが減ってきます。その結果、また有効になってくるのです。
森下千里
そうですね。一度下落すると「何だ、やっぱり儲からないじゃないか」と諦めてしまう人が多いのですよね。結果、それほど長くマーケットインパクトは、続かないのですよね。多くの人が続けるのは一定期間だけです。儲からない期間があるとやめていきます。すると、またその売買ルールは使えるようになってくるという繰り返しなのです。
プロフィール
森下千里
森下千里もりした ちさと
1981年愛知県生まれ。
雑誌やバラエティー番組、舞台などひっぱりだこの人気タレント。
趣味はカレー作り、お菓子作り、ゴルフ、ゲーム、株!
昨年ファイナンシャルプランナー3級、マネーマネジメント1級取得。
現在カレー店『芸能人 カレー部』を各地で営業中!http://www.currybu.jp/
オフィシャルブログ:
http://ameblo.jp/morishitachisato/
斉藤正章
斉藤正章さいとう まさあき
1975年東京生まれ。
デザイン系専門学校を卒業後、システム開発会社に就職。プログラマー兼システムエンジニアとして8年間勤務。
2001年に元手30万円で株式投資を開始。当初は苦戦するも、2003年1月に独自のシステムを開発してから常勝トレーダーとなり、2006年に1億円を達成した後も安定した運用を続けている。勝率80%の逆張りシステムを中心に数種類のシステムを使い分ける。
著書に『株 勝率80%の逆張りシステムトレード術』『斉藤正章の株 両立80%の逆張りシステムトレード実践テクニック』(日本実業出版社)がある。
西村剛
西村剛にしむら つよし
財閥系運用会社にて、国内株式中小型株アナリスト兼ファンドマネジャーを経験。年間200社程度の経営者に取材を行う。
2005年フェアトレード株式会社代表取締役就任。
2009年「システムトレードの達人」を使って、株式戦略マル秘レポートを連載中。
著書に『実践 空売りトレード』(明日香出版社)がある。